地毛が赤毛やストロベリーブロンドの人
光加減で髪が赤く見えることがあり、地毛色について調べている人は多いと思います。
外国を見ると日本ではありえないような地毛色の人も居て、赤毛もその一つです。
日本人で髪に赤みを感じたり、真っ赤な地毛の人について解説します。
日本人は赤みがある髪色が多い
髪色を作る細胞は、2種類のメラニンを作っています。
それぞれの量やバランスにより、生まれつきの地毛色が決まります。
日本人の大半は、両方のメラニン量が多い黒髪です。
ブリーチやヘアカラーした際、日本人は髪に赤みがでる人が多いと思います。
これは、ユーメラニンから脱色していき、フェオメラニンの赤色が出てくるためです。
また、中には地毛に赤みが少なく、アッシュのような髪色の人も居ます。
赤い地毛の特徴
地毛が赤毛の場合、ユーメラニンが少なくフェオメラニンの量が多いです。
とても珍しく、世界で約1~2%ほどしか居ないとされています。
北欧(イギリス、アイルランドなど)やロシア連邦のウドムルト共和国に、赤毛の人が居るようです。
また、赤毛の人を祝う祭りが毎年開催されています。
- Рыжий фестиваль(RED FESTIVAL)
- 開催場所:ウドムルト共和国
- Redhead Days Festival(Roodharigendag)
- 開催場所:オランダ (ティルブルフ)
世界中から赤毛の人が集まるようです。
ストロベリーブロンドやバーガンディ
地毛が赤いと言っても色幅があり、フェオメラニンの量によっては金髪に近い人も居ます。
また、フェオメラニンがもっと少ない場合、地毛がプラチナブロンドと呼ばれる白に近い金髪になります。
赤の色幅によっていろんな名前が付けられており、その一部が下記です。
日本でも外国人風カラーが流行った事で、これらのヘアカラーを耳にする人も居るかと思います。
実際のストロベリーブロンドは、画像よりも金髪寄りの髪色です。
光加減によっては、薄いピンクに見えることもあります。
そのため、ピンク髪の2次元キャラの設定に、ストロベリーブロンドと書かれている事があります。
目の色は赤ではない
目の色も髪同様、メラニン色素によって決まっています。
同じ色になる訳ではありませんが、髪色と目の色には関連性があります。
地毛が赤毛の人は、瞳がグレー(灰色)の人が多いです。
参考:The Genetic Overlap Between Hair and Eye Color | Twin Research and Human Genetics | Cambridge Core
また、目の色が赤色に見えるのは、メラニンを持たないアルビノの人のみです。
常に赤く見えるのではなく、フラッシュなどの明るい光が当たる状況下で赤目に見えることがあります。
赤髪の人の遺伝子
髪や目の色を決めるメラニン生成には、MC1R(メラノコルチン1受容体)というタンパク質が関係しています。
このMC1Rの遺伝情報がある場所(遺伝子座)に、2つの変異体(対立遺伝子)があると赤毛になりやすい事が分かっています。
下記は遺伝的素質などを研究しているUKバイオバンクが、髪色についてまとめた論文です。
Although 93% of individuals with red hair carry two MC1R variants, these make up only 15% of people who carry two MC1R variants.
【Google翻訳】赤毛の人の93%が2つのMC1R変異体を持っていますが、これらは2つのMC1R変異体を持っている人のわずか15%を占めています。
出典元:Genome-wide study of hair colour in UK Biobank explains most of the SNP heritability | Nature Communications
※「これらは」の部分は「金髪の人は」を意味しています。
MC1Rはメラニン生成を制御しており、2つの変異体により機能喪失するとフェオメラニンが増加します。
その結果、フェオメラニンが多い事が特徴の、赤毛の地毛になるという事です。
地毛が金髪の人については、下記で詳しく解説しています。
地毛が赤毛の人はガンになりやすい
紫外線の影響を抑えてくれるのはユーメラニン(黒~茶褐色)です。
それが少ない赤毛の人は、紫外線耐性が少ない事などが原因でガンになりやすい事が分かっています。
Patients who live in areas of high ultraviolet radiation, and have many large naevi and the red hair colour phenotype, particularly those with the MC1R R/R genotype, have a high risk of melanoma above the threshold recommended for screening in other cancers.
【Google翻訳】高紫外線の領域に住んでいて、多くの大きな母斑と赤毛の色の表現型を持っている患者、特にMC1R R / R遺伝子型の患者は、他の癌のスクリーニングに推奨される閾値を超える黒色腫のリスクが高いです。
出典元:High naevus count and MC1R red hair alleles contribute synergistically to increased melanoma risk – PubMed
これは、オーストラリアのクイーンズランド州在住の、黒色腫の病歴がある人含む1267人を調べた論文です。
まとめ
地毛が赤い人は、ユーメラニンが少なくフェオメラニンが多いのが特徴です。
赤の色幅によってストロベリーブロンドやバーガンディなど、髪色に名前が付いています。
赤毛の人は、MC1R遺伝子の変異体を2つ持っている事が分かっています。
また、紫外線に弱く、他の髪色の人に比べてガンになりやすいです。