髪の毛が茶色くなる原因
子供の頃は黒髪だったのに、いつのまにか地毛が茶色くなって原因を調べている人は多いと思います。
現にネットやSNSなどで検索してみても「染めてないのに茶色くなった」という人は、結構いるようです。
ヘアカラーなどをしていないのに茶髪になった場合、下記の2つのパターンが考えられます。
抜け毛に光を当てて根元側と毛先側の色を比較すると、どっちのパターンなのか判断しやすいと思います。
この2つのパターンに共通しているのは、髪のメラニン色素量が減っているという事です。
髪色はメラニン2種類の、量や比率によって決まります。
- ユーメラニン
- 黒色~茶褐色
- フェオメラニン
- 赤色~黄色
日本人の大半は2種類とも量が多く、ユーメラニンの方が比率が高いです。
ユーメラニンは量が多いと暗くなり、少ないと明るくなる性質があります。
まずは、内的要因によって地毛の色が変わり、茶色い髪が生えてくるようになった場合の原因について解説します。
いつのまにか茶色い髪が生えてくるようになった場合、原因はメラニンを作る細胞のトラブルです。
髪色のメラニンは、下記の細胞が順番に分裂していくことで作られます。
そして、色素細胞が2種類のメラニンを生成しています。
この工程のどこかにトラブルが起こると、メラニンの生成量が減っていき最終的に白髪になります。
そのため、茶色い髪が生えるようになった場合は、白髪になりやすい状態です。
ストレス
ストレスを受けると、体内に活性酸素が大量に増えます。
活性酸素が増加すると細胞が酸化ダメージを受け、正常に働かなくなったり劣化(老化)していきます。
また、ストレスを受けた時に放出される「ノルアドレナリン(神経伝達物質)」もメラニンの生成量が減る原因です。
2020年1月に発表されたマウスを使った研究によると、ノルアドレナリンによって色素幹細胞が減少することが分かっています。
these results indicate that noradrenaline released from active sympathetic neurons triggers MeSC depletion
【Google翻訳】これらの結果は、活動的な交感神経ニューロンから放出されたノルアドレナリンがMeSC枯渇を引き起こすことを示しています
出典元:nature-How the stress of fight or flight turns hair white
MeSCとは色素幹細胞のことで、メラニン生成の根源となる細胞です。
色素幹細胞はメラノブラストに分化すると同時に、自分のクローンを生成して数を維持しています。
しかし、ノルアドレナリンが放出されるとメラノブラストに分化することだけに集中し、クローンを作らなくなります。
幹細胞は1~2週間で寿命をむかえるため、クローンを作らなくなる事で数が減っていくという事です。
これらがストレスによって引き起こされると、本来よりも生成されるメラニン色素が減少してしまいます。
その結果、髪が茶色くなる可能性があるということです。
加齢
老化すると白髪が増える事から、髪が茶色くなるのは加齢の影響が大きいと言えます。
加齢により、メラニンを作る細胞のサポート役が減っていきます。
これらは30代を過ぎたあたりから、加齢によって生成量や分泌量が減っていきます。
サポート役が減り細胞の劣化が進むことで、髪が茶色くなる可能性があるという事です。
栄養不足
メラニンを生成して黒髪を維持するためには、下記の栄養素がとくに重要です。
- チロシン
- 銅
- 抗酸化物質
- ヨード
栄養素の働きや、含まれる食材などは下記で解説しています。
これらは、メラニンの材料や細胞の活性化に必要な栄養素です。
栄養不足の子を調べた結果、髪のメラニン量の減少が確認されたという報告があります。
During treatment for malnutrition, a progressive decrease in total melanin content along the hair shaft from tip to root (root:tip ratio: 0.62 (sd 0.31)) was observed.
【Google翻訳】栄養失調の治療中に、毛幹に沿って先端から根までの総メラニン含有量の漸進的な減少(根:先端比:0.62(sd0.31))が観察されました。
出典元:Childhood malnutrition is associated with a reduction in the total melanin content of scalp hair – PubMed
これは、原発性栄養失調と診断された、13人のジャマイカの子供たちを調べた研究論文です。
そのため、栄養が不足するとメラニンの生成量が減り、髪が茶色くなる原因になります。
病気
髪が茶色くなっていくような、直接的な病気はありません。
生まれつき、部分的に髪色が異なるような先天性疾患であれば存在します。
下記で詳しく解説しています。
しかし、以下のような間接的な病気の影響があるため、注意が必要です。
病気にかかっている期間が長いほど、間接的に髪が茶色くなる可能性があるということです。
睡眠不足
睡眠時は、細胞の働きをサポートするホルモンが分泌されます。
睡眠の質が高いほど、分泌量も多いです。
成長ホルモンの影響で、1日の中で1番髪が伸びるのは睡眠時です。
これらのホルモンはメラニンを作る細胞の働きもサポートしてくれているため、睡眠の質はとても大切です。
そのため、睡眠不足が続いているとメラニン生成に悪影響を与え、髪が茶色くなる可能性があります。
環境への適応能力
海外の地毛色を見てみると、紫外線の弱い国ほどメラニン量が少ない傾向にあります。
また、子供の時は金髪(ブロンド)で、大人に成長していく過程で暗い髪色になる人も多いです。
この事から、環境への適応能力により髪色が変わる可能性が考えられます。
血流が悪い
メラニン生成に必要な栄養や酸素は、血液によって細胞に運ばれています。
そのため、食事で栄養を十分摂取していても、血流が悪いとメラニンを作る細胞へスムーズに届きません。
こういった事で血流が悪くなり、メラニン生成がうまくいかなくなると髪が茶色くなる可能性があります。
紫外線
紫外線は髪が茶色くなる「内的要因」「外的要因」に共通している原因で、下記のような影響を与えます。
- 髪を傷ませる
- メラニン色素を分解
- 活性酸素が増える
紫外線には色素を分解する働きがありますが、すぐに髪が脱色して茶色くなるという訳ではありません。
また、紫外線を浴びると、細胞を酸化(老化)させてしまう活性酸素が体内に増加します。
過剰に増加するとメラニンを作る細胞に悪影響を与え、茶色くなったり白髪の原因になってしまいます。
髪だけでなく顔のシワやシミの原因にもなるため、長時間外に出るときは必ず紫外線対策をすべきです。
無香料のため、香水やスタイリング剤とニオイが混ざってしまうということがありません。
また、バッグに入れて持ち運べるコンパクトサイズなため、定期的な塗りなおしも行いやすいです。
そのうえ低価格なため、コスパがいい日焼け止めとして人気があります。
内的要因はここまでですが、細胞にトラブルが起きて白髪になりやすい状態です。
自分の生活を見直し、今すぐ対策すべきです。
生えてる髪の途中から茶色くなった理由
地毛の色は変わらず生えている髪の途中から茶色くなった場合、原因は外的要因です。
外的要因で、髪からメラニン色素が減少するパターンは2つあります。
ヘアカラーの色落ちも同じ原理で色落ちしています。
しかし、ヘアカラー色素と比べると、はるかにメラニン色素の方が減りづらいです。
どういった原因があるのか解説します。
髪が傷んでいる
地毛色であるメラニン色素は髪内部(コルテックス)に存在します。
そして、髪外側にはキューティクルやCMCがあり、バリアとして機能しています。
髪が傷んでいる状態とは、キューティクルが変形していたり剥がれている状態のことです。
髪外部に隙間ができてしまうため、外部ダメージがメラニン色素まで届きやすくなってしまいます。
そのため、茶色くなった場合は髪が傷んでいる証拠でもあります。
パサついたり手触りが悪く、見た目的にもいい印象を与えません。
プールなどに含まれる塩素
水泳をしている人は髪が茶色くなりやすいです。
プールなどに含まれる「塩素」は漂白剤にも使用されており、下記の働きがあります。
そのため、髪がプールの水を吸うとメラニン色素を分解してしまい、茶色くなる原因になります。
また、髪が濡れるとキューティクルの隙間が開くため、紫外線と相まって脱色しやすいです。
ドライヤーやヘアアイロンの熱
キューティクルは髪が濡れている時や、温度が高い時に隙間が開く性質があります。
そのため、濡れた髪を乾かす時の熱ダメージは、メラニン色素がある髪内部へ届きやすいです。
髪が高温になるほどメラニン色素を分解してしまう可能性が高くなり、髪が茶色くなる原因になります。
とくにヘアアイロンはドライヤーよりも高温のため、ダメージも強いです。
ケア剤を使わず毎日コテで巻いたりしている人は、脱色しやすいので注意が必要です。
まとめ
髪が茶色くなる原因には「内的要因」と「外的要因」があります。
どちらか知るためには抜け毛に光をあて、根元と毛先の髪色を比較してみると分かります。
内的要因の場合は、細胞にトラブルが起きて白髪になりやすい状態のため、生活習慣などを見直した方が良いです。
外的要因の場合は髪が傷んでいる状態にプラスして、さらにダメージを受けることでメラニン色素が脱色しています。
そのまま何もしないと髪のツヤやハリ、手触りが悪化していく可能性が高いです。