湯シャンで白髪が減るのか
湯シャンは頭皮に良いと聞き、白髪にも効果があるのか調べている人は多いと思います。
その理由について解説していきます。
特定の行動が「白髪を減らす」と断言できない理由
髪は大きく分けて「形を作る細胞」と「色(メラニン)を作る細胞」により作られています。
色を作る細胞になんらかのトラブルが起き、メラニンがない状態で生えた髪が白髪です。
このように、白髪の原因は複数考えられ、完璧に特定する事はできません。
また、1つだけという訳ではなく、複数の原因が重なっている場合もあります。
原因の中で、湯シャンが影響を与えるのは頭皮環境だけです。
それ以外で白髪になっていた場合、効果はありません。
また、湯シャンは向き不向きがあり、大半の人には頭皮環境が改善するとは言えません。
そのため、サプリなどの商品説明に白髪が減るような事を書き、罰則を受けた例もあります。
消費者庁は、本日、株式会社ECホールディングス(以下「ECホールディング
出典元:株式会社ECホールディングスに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について-pdf
ス」といいます。)に対し、同社が供給する「ブラックサプリEX」と称する食品
に係る表示について、景品表示法第8条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令
(別添参照)を発出しました。
また、メラニン生成の根源である色素幹細胞がなくなっている白髪は、黒髪に戻ることはありません。
シャンプー剤で白髪が増える根拠なし
シャンプー剤を使うと白髪になるのであれば、湯シャンが効果的と言えます。
しかし、シャンプー剤が白髪の原因になるという根拠はありません。
もし仮にそうなら、子供や若者で白髪だらけになる人が続出します。
また、ほぼ毎日シャンプーした方が良いという研究論文もあります。
参考:The Impact of Shampoo Wash Frequency on Scalp and Hair Conditions – PubMed
皮脂が多い人が続けた結果、白髪が増える可能性も
湯シャンの始めたては皮脂が過剰になり、我慢して続ければ分泌量が治まると説明する人は多いです。
しかし、湯シャンをすれば皮脂分泌量が治まるという根拠はありません。
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、頭皮や顔面、髪の生え際、耳の周囲、ときにその他の部位に慢性の炎症が起き、脂ぎった黄色い鱗屑(うろこ状のくず)やフケが生じる病気です。
出典元:脂漏性皮膚炎 – 17. 皮膚の病気 – MSDマニュアル家庭版
原因は完璧に解明されていませんが、マラセチア菌(常在菌)の増加が関係しているとされています。
マラセチア菌とは人の皮膚に存在するカビの一種で、これのエサとなっているのが皮脂です。
皮脂が過剰になるとマラセチア菌が繁殖し、それが皮膚への刺激になって脂漏性皮膚炎を起こすと考えられています。
脂漏性皮膚炎が続くと脱毛に繋がることがあるため、注意が必要です。
また、脂漏性皮膚炎は酸化ストレスになりやすいという研究論文があります。
人は紫外線やストレスをうけると、活性酸素が体内で増加します。
活性酸素は免疫機能として働く一方、増えすぎると細胞を老化させてしまう厄介者です。
それを防ごうと、活性酸素に対抗して体内では抗酸化酵素が作られます。
この抗酸化酵素よりも活性酸素の方が上回っている状態のことを酸化ストレスと呼びます。
細胞が正常に働かなくなる事に繋がるため、酸化ストレスは白髪の原因の1つです。
It was found that OS was significantly higher in SD patients than in healthy subjects.
【Google翻訳】OSは健康な被験者よりもSD患者で有意に高かったことがわかった。
出典元:The association of oxidative stress and disease activity in seborrheic dermatitis – PubMed
※補足
- OS=酸化ストレス(oxidative stress)
- SD=脂漏性皮膚炎(seborrheic dermatitis
これは脂漏性皮膚炎の患者54人と健康な54人を比較し、酸化ストレスとの相関関係を調べた研究論文です。
重曹をシャンプー代わりにしない方が良い
湯シャンで頭皮のベタつきを感じた時、重曹を使った洗髪方法が紹介されている事があります。
海外では、湯シャンで重曹を使う事は珍しくないようです。
しかし、重曹水で洗髪するのは辞めた方が良いです。
その理由を解説していきます。
重曹が良いと言われる理由
頭皮や髪の理想的なpH(アルカリ性や酸性を示す数値)は弱酸性で、重曹水は弱アルカリ性です。
頭皮や髪を弱アルカリ性のもので洗うと、中和作用により皮脂などの汚れが落としやすくなります。
シャンプー剤の界面活性剤を嫌う人にとっては、代わりに重曹を使えば洗浄力を上げられるという事です。
弱アルカリ性は髪を傷める
髪のpHは、基本的に弱アルカリ性以外の状態は良くありません。
酸性に傾くとキューティクルが引き締まりすぎ、アルカリ性に傾くと隙間が開いてダメージになってしまいます。
とくにアルカリに傾くと髪のCMCが減少し、髪質がとても悪化します。
このCMCはアルカリ性に弱く、重曹や石鹸で洗髪すると多く失います。
ヘアカラーやパーマは髪を傷めることで知られていますが、その理由の1つはアルカリ剤が含まれているためです。
CMCが減少する事で、キューティクルが剥がれやすくなったり手触りが悪化します。
また、低pHシャンプーに関する文献をまとめた論文にも、アルカリ性での洗髪は髪を傷めると記されています。
Alkaline pH may increase the negative electrical charge of the hair fiber surface and, therefore, increase friction between the fibers. This may lead to cuticle damage and fiber breakage.
【Google翻訳】アルカリ性のpHは、毛髪繊維表面の負電荷を増加させる可能性があり、したがって、繊維間の摩擦を増加させる可能性があります。これは、キューティクルの損傷や繊維の破損につながる可能性があります。
出典元:The Shampoo pH can Affect the Hair: Myth or Reality?
消臭効果は一時的
湯シャンをすると皮脂が増えるため、頭皮のニオイは増加します。
重曹は消臭効果がある事で知られていますが、洗髪に使っても効果は一時的です。
ニオイ物質は揮発性の高い酸性の事が多く、重曹などのアルカリ性によって中和する事で消臭されます。
しかし、その効果は一時的で、ニオイ物質が残っている限り再び臭くなります。
消臭スプレーをかけても、しばらくしたら臭ってくるのと同じです。
その点、シャンプー剤は消臭だけでなく香料を追加するため、良いニオイが持続します。
重曹以外で洗浄力を上げる方法
髪の事を考えるのであれば、重曹での洗髪は辞めた方がよいです。
しかし、湯シャンをしている中で、洗浄力が足りない事からフケやかゆみを起こす事は多いです。
そのため、シャンプー剤を使わず今よりも洗浄力を上げたいという人も居るかと思います。
その場合には「シャワーヘッド ミラブルzero 」がおすすめです。
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値段は高めですが、いつもの洗髪や洗顔への効果を考えればコスパは良いです。
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まとめ
湯シャンで白髪が減るとは言えません。
白髪の原因は複数あるうえ特定できないため、そもそも1つの行動が「白髪を減らす」とは言えないからです。
また、シャンプー剤で白髪が増えるという根拠がない事も理由になります。
逆に、皮脂が多い人が湯シャンを続けた結果、過剰になることで脂漏性皮膚炎を起こす可能性があります。
脂漏性皮膚炎は白髪を増やす可能性を高めたり、脱毛を起こす事があるため注意が必要です。