紫シャンプーとは
なぜ紫色のシャンプー剤を使うと、ヘアカラーが長持ちするのか気になっている人は多いと思います。
紫シャンプーは通称「ムラシャン」とも呼ばれ、カラーシャンプーの中で最も有名なカラーです。
シャンプー剤に紫色のカラー染料が含まれており、髪内部の表面付近に少しだけ色を付ける効果があります。
ヘアカラーの邪魔になりやすい黄ばみを抑え、理想の髪色を長持ちさせる目的で使用される事が多いです。
使い方については、以下のページを参考にしてください。
髪の黄ばみが出てくる原因とは
地毛の色は、2つのメラニンのバランスや量によって髪色が決まっています。
ブリーチして脱色させていくとユーメラニンから先に減っていきます。
脱色が進むとフェオメラニンも減っていく事で、髪色から赤みが消え黄色になっていきます。
しかし、フェオメラニンを完全に無くす事はできません。
すべて脱色する前に、ダメージによって髪が形を保てなくなるからです。
髪の黄ばみとは、どうしても最後に残ってしまうフェオメラニンの色素です。
そのためヘアカラーする時は、染料を調整して黄ばみを消しながらキレイに染めています。
しかし、色落ちしてヘアカラーの色素が減ってくると、隠していた本来の黄色が主張してくると言うことです。
紫シャンプーの効果
紫シャンプーには、上記のような黄ばみを抑える効果があります。
【効果大】黄ばみを消す
画像のような色の並びを色相環と呼び、黄ばみを抑えるために補色と反対色の効果を利用しています。
- 補色
- 【無彩色に変える効果大】
- 1つの色に対して正反対にある色です。
- 反対色
- 【無彩色に変える効果小】
- 補色の隣にある色の事です。
1つの色に補色や反対色を混ぜ合わせると、無彩色(黒、グレー、白)に変える働きがあります。
この働きが、紫シャンプーが黄ばみを消す効果の正体です。
紫シャンプーは黄色に対して、補色の青紫を混ぜることで無彩色に打ち消しています。
量を入れすぎてしまうと、打ち消す効果をこえて紫色に染まってしまいます。
こういったリスクを軽減できるのが、紫シャンプーのメリットです。
紫シャンプーは髪内部の表面付近に少しだけ色を付けるため、補色を入れすぎてしまう心配はほとんどありません。
【効果小】赤みを抑える
紫シャンプーの青紫はオレンジの反対色でもあるため、赤みを抑える効果もあります。
- 補色よりも反対色は無彩色に変える効果が弱い
- オレンジは黄色と赤の中間の色
これらの理由から、紫シャンプーは赤みを抑える効果が少し弱いです。
また、紫シャンプーの種類によっても微妙に変わってきます。
メーカーによって「赤寄りの紫」「青寄りの紫」と、色味が異なるからです。
日本人の髪色をブリーチすると赤みも残りやすいため、青寄りの紫シャンプーを選んだ方が使い勝手が良いと思います。
赤みをしっかりと消したい場合は、シルバーシャンプーが適しています。
パープルカラーに付け足す効果
シンプルに紫色を付け足す効果もあります。
パープルに染めた人は色落ちで減った色素を補うことで、ヘアカラーを長持ちさせる事ができます。
紫シャンプーによる染色は、表面に透けた紫色のテープを張っているようなものです。
そのため、暗いパープルカラーの髪に使用しても、表面につけた色の方が明るいと見えなくなってしまいます。
紫シャンプーの効果を活かせる髪色
何色のヘアカラーに適しているかではなく、ブリーチを何回してどの程度脱色しているかといったベースの髪色がとても重要です。
紫シャンプーの黄ばみを抑える効果を活かすためには、ヘアカラーが色落ちした時に髪に黄色みがないといけないからです。
イエローベースになるのは大体ブリーチ1~2回行ってからで、ブリーチ剤や地毛の色によって回数は変わってきます。
ピンクシャンプーが良い例で、ピンク系のヘアカラーの人は黄ばみが出てもピンクを付け足して目立たなくする事ができます。
紫シャンプーで黄ばみを抑えるより、染めたヘアカラーの色を補充した方が効果が高いと思います。
いつから使用するのが効果的か
紫シャンプーには色素の流出を軽減する効果はないため、色落ちしていない髪の毛に使用するのはもったいないからです。
目安としては、ヘアカラーしてから3日前後過ぎてからとなります。
連日使用しないと色があまり入らないような商品では、使い始めを少し早める方がよい場合もあります。
紫シャンプーが適している髪色は色落ちがとても早いため、他のカラーシャンプーよりも使用し始めるタイミングは早いです。
また、紫シャンプーを使っていると下記のようなデメリットを感じる人は多いと思います。
こういったデメリットを感じている人におすすめなのが「rasicaシースルーグロスシャンプー」です。
色のついたグロスで髪をコーティングし、色落ちを軽減しながらツヤのある髪に仕上がります。
髪を染める訳ではないため、お風呂や手が汚れることなく普段使いもできます。
- COOLタイプ
- 青みのある寒色系に染めている人向け(アッシュ系など)
- WARMタイプ
- 赤みのある暖色系に染めている人向け(茶系など)
紫シャンプーとシルバーシャンプーの違い
どちらも色を抑える補色として使われることが多いですが、シルバーシャンプーは赤みを抑える効果が強いです。
赤みを抑えるヘアカラーの定番はアッシュカラーで、シルバーシャンプーは髪色をくすませたい時などに使用する事が多いです。
どちらを使おうか迷った場合は、以下のような選び方をすれば間違いありません。
紫シャンプーを茶髪に使うと効果はあるか
茶髪といってもトーンの幅はかなり広く、大きく3つに分けると以下のような髪色があります。
- 黒寄りの茶髪
- オレンジ寄りの茶髪
- 金髪寄りの茶髪
紫シャンプーは髪の表面に薄い色のついたテープを張っているような状態のため、髪色が暗いほど表面の色が見えなくなり効果が消えていきます。
紫シャンプーの効果が分かるようになってくるのは、脱色してトーンが上がっていきオレンジ寄りの茶髪を過ぎたあたりからです。
しかし、オレンジ寄りの茶髪は赤みが勝っているため、紫シャンプーは適していません。
黄色みを抑える効果は大きいですが、赤みを抑える力は弱いからです。
全く効果がない訳ではないですが、赤みを少しだけ抑えて元々目立っていない黄ばみを取るため効果は薄いです。
黄色みが勝っている金髪寄りの茶髪に使用すると、透明感のあるやわらかい印象の茶色になります。
紫シャンプーを金髪に使うと効果はあるか
紫シャンプーの効果を最大限に活かせるのは、色落ちした時に金髪になるヘアカラーです。
金髪の上に乗せているヘアカラーの場合、色落ちすると黄ばみがとても目立ってくるからです。
完全に色落ちが終わった金髪の状態に使用すると黄色みが抜け、髪色を白に近づけることができます。
しかし、紫シャンプーで金髪を白くしようとするとデメリットがあります。
金髪の中でもトーンが明るい髪色ほど、白を超えて紫色に染まってしまう可能性が高くなります。
そのため、金髪の明るさによって紫シャンプーの使用量を調節する必要があります。
- 黄色みが強い金髪
- 使用量を多く
- 白に近い金髪
- 使用量を減らす
使用量が少ないと泡立ちが悪くなり、ムラの原因になってしまうためバランスには注意が必要となります。
また、脱色して金髪の状態というのは、根元と毛先であったり髪1本1本でダメージ量が大きく異なっていることが多いです。
そのため、紫シャンプーで自分で白っぽく染めようとすると、どうしても色ムラができやすい事もデメリットです。
白髪に使用すると紫に染まりやすい
黄ばみのある白髪に紫シャンプーはおすすめしません。
白髪の黄ばみは薄いことが多いため、染色力の弱い紫シャンプーでも白を超えて紫に染まってしまうリスクが高いからです。
また、紫シャンプーで染めた色は平均3日ほどで色落ちするため、2~3日に1度紫シャンプーを継続して使用する必要があります。
- 手間
- コスト
- 紫に染まってしまうリスク
これらを考えると、白髪に使用するのは止めた方が良いと思います。
まとめ
紫シャンプーを使うと、黄ばみを抑える効果によって好みのヘアカラーを長持ちさせる事ができます。
色落ちした時に黄ばみが浮き出てくる髪色の人や、パープルヘアの人に適しています。
白寄りの金髪や白髪の人が使うと、紫に染まってしまう事があるので注意が必要です。