- 栄養素を考えるのはめんどくさいので、ずばり何を食べればいいか知りたい人
- 髪の毛を早く伸ばしたくて、食生活を変えようとしている人
- 食べ物で髪の毛が早く伸びるようになるのか疑問に思っている人
髪の毛を早く伸ばす食べ物
髪の毛を早く伸ばしたい時、何を積極的に食べればいいか探している人は多いと思います。
また、食べ物によって本当に髪が伸びるのか、疑問に思っている部分もあるのではないでしょうか。
髪の成長に必要な栄養素や、おすすめの食べ物をランキング形式で解説します。
一週間や一か月で伸びる限界は変えられない
髪は毛包という場所で細胞によって作られ、押し上げられることで伸びています。
髪の伸びる限界速度は遺伝などによって個人差があり、それより早くする事はできません。
細胞が髪を作るためには栄養素が必要で、不足すると細くなったり伸びるスピードが遅くなってしまいます。
そういった場合、食べ物で不足分を補えれば、今よりも髪を早く伸ばす(本来の速さに戻す)事ができます。
髪の毛を早く伸ばすというのは、本来の伸びる早さに戻すという事
例えば、一週間で3mm伸びるのが限界な人は、何を食べてもそれ以上早くはならないという事です。
とにかく早く伸ばしたいのであれば、髪を作るときに必要な栄養素を不足させない事が大切です。
また、栄養以外にも髪の成長に与える要因は多く、下記で詳しく解説しています。
髪の成長に関わる重要な栄養素と、それが含まれる食べ物を解説します。
タンパク質(アミノ酸)を含む食べ物
髪の約8割以上がケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されています。
そのタンパク質を構成しているのは、複数種類のアミノ酸です。
食べ物でタンパク質を摂取すると、体内で一度アミノ酸に分解されます。
そのアミノ酸を再び合成させることでケラチンタンパク質となり、髪が作られます。
- 肉類
- 魚介類
- 卵類
- 豆類
- 乳製品
とくに肉類に多くのタンパク質が含まれています。
亜鉛を含む食べ物
ケラチンタンパク質を作るには、18種類のアミノ酸に加え亜鉛が必要です。
亜鉛は食べ合わせによって吸収が阻害されやすく、その原因などは下記で詳しく解説しています。
- 魚介類
- 肉類
- 卵類
- 豆類
- 乳製品
とくに魚介類の牡蛎(カキ)に多くの亜鉛が含まれています。
ヨウ素を含む食べ物
ヨードとも呼ばれ、甲状腺ホルモンの原料になります。
髪は新陳代謝によって伸びていますが、これを活発にしてくれるのが甲状腺ホルモンです。
そのため、ヨウ素を不足させないことは、髪を早く伸ばすことに繋がります。
ワカメや海苔などが髪の毛に良いとされるのは、ヨウ素を多く含んでいる事が背景にあります。
- 海藻類
- 魚介類
- 卵類
- 乳製品
とくに海藻類に多くのヨウ素が含まれています。
ビタミン類を含む食べ物
ビタミンは種類によって効果が異なります。
どれも細胞が正常に働くためには必要となる栄養素です。
髪の成長に関するビタミンの働きをまとめると、下記のようになります。
- ビタミンA
- 頭皮環境を整える、抗酸化
- ビタミンB群
- 頭皮環境を整える、抗酸化、代謝をよくする
- ビタミンC
- 頭皮環境を整える、抗酸化、ストレス耐性
- ビタミンE
- 強力な抗酸化、抗炎症、血流促進
抗酸化を簡単に説明すると、細胞の劣化(老化)を抑える働きの事です。
髪を作っている細胞の働きを、サポートしているイメージになります。
しかし、ビタミンをサプリメントで摂取した場合、抗酸化効果は期待できないようです。
ほとんどの抗酸化サプリメントの臨床試験において、その実質的健康効果は証明されていません。
出典元:厚生労働省eJIM-抗酸化物質
そのため、強い抗酸化作用が期待できるビタミンEは、食べ物からの摂取が望ましいです。
また、ビタミンB群には新陳代謝を活発にする効果があるため「代謝ビタミン」とも呼ばれます。
髪は新陳代謝によって伸びているため、早く伸ばしたいのであれば特にビタミンB群を不足させないことが大切です。
また、ビタミンB群には、成長ホルモンを分泌しやすくするアルギニン(アミノ酸)の吸収を助ける働きがあります。
成長ホルモンも新陳代謝を活発にしてくれるホルモンで、髪の成長を促してくれます。
- 肉類
- 魚介類
- 卵類
- 豆類
- 乳製品
とくに肉類と魚介類に多く含まれている傾向があります。
植物エストロゲンを含む食べ物
女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする、「イソフラボン」と「リグナン」という栄養素があります。
植物エストロゲンとも呼ばれ、食べ物から摂取する事ができます。
- 血管を広げ、血流をよくする
- ヘアサイクルを正常にする
- 自律神経を整え、ストレスを軽減する
エストロゲンは高齢になると分泌量が低下し、それが女性の薄毛原因になる事が知られています。
男性より女性の方がエストロゲンの分泌量が多いため、ヘアサイクルの成長期(髪が伸びる時期)が長いです。
しかし、植物エストロゲンの効果は、本物のエストロゲンの1000分の1~10000分の1程度しかありません。
そのため、髪の成長を促す効果も薄いとは思いますが、できれば摂取したい栄養素となります。
- イソフラボン
- 大豆
- リグナン
- ゴマやアマなどの種子類
ワカメは日本人におすすめしない理由
わかめから摂取できる髪の成長に重要な栄養素は「ヨウ素」です。
ヨウ素は新陳代謝を活発にする「甲状腺ホルモン」の原料となります。
しかし、日本人で髪を早く伸ばしたい時、わかめを積極的に食べるのはおすすめ出来ません。
日本では通常の食事だけで、ヨウ素が過剰になりやすいからです。
- 推定平均必要量
- 95ug
- 推奨量
- 130µg
- 日本の耐容上限量
- 3000ug
- アメリカ・カナダの耐容上限量
- 1100ug
日本人の1日のヨウ素摂取量は推定平均で1000〜3000ugで、推奨量を大幅に超えています。
ヨウ素は海産物全般に含まれているため、日本人は味噌汁のダシなどでも十分に補えているという事になります。
わかめは髪に良いと言われる事が多いですが、日本人は多量に食べる必要はないという事です。
日本人はヨウ素を十分取れているため、わかめを積極的に食べても髪の成長に影響は出づらい
ちなみに、水戻しのワカメ1人前(10g)に含まれるヨウ素は190ugです。
髪が伸びる食べ物ランキング
今より髪が早く伸びるようになるかは、栄養素が不足しているかどうかが重要です。
どの栄養素にも髪を早く伸ばす効果というのはないため、不足していなければ食べても髪の成長に変化は起こりません。
また、栄養素は血液によって運ばれてくるため、髪を早く伸ばしたいなら血流をよくする事も大切です。
日本人が不足している栄養素は、厚生労働省の栄養調査結果が参考になります。
- ビタミン類
- 亜鉛
これを参考に、髪を早く伸ばしたい時におすすめの食べ物を、ランキングで紹介します。
ビタミン類では幅が広すぎるので、今回はとくに不足させたくない「ビタミンB群」と「ビタミンE」に絞ります。
ちなみに、ビタミンB群の中で不足してる人が多いのは「B1」「B2」「B6」です。
※以下で紹介する食べ物の100gあたりの含有量は、文部科学省の食品成分データーベースを参考にしています。
【1位】小麦胚芽(こむぎはいが)
小麦の種子に含まれている、芽になる部分が小麦胚芽です。
小麦1粒の中で約2%しかない貴重な部分です。
栄養がとても豊富で、ヨウ素以外の髪の成長に重要な栄養素はすべて摂取する事ができます。
- タンパク質
- 32g
- 亜鉛
- 15.9mg
- ビタミンB1
- 1.82mg
- ビタミンB2
- 0.71mg
- ビタミンB6
- 1.24mg
- ビタミンE(α-トコフェロール)
- 28.0mg
上でも解説しましたが、ビタミンEの強みである抗酸化作用はサプリメントでは効果が期待できません。
そのため、豊富に摂取できる食べ物として、小麦胚芽はとても優秀です。
【2位】大豆
女性ホルモンに似た働きを持つイソフラボンが含まれているのが特徴です。
日本人の栄養調査で不足していた亜鉛、ビタミンB1、B2、B6も含まれています。
- イソフラボン
- 140.4mg
- タンパク質
- 33.8g
- 亜鉛
- 3.1mg
- ビタミンB1
- 0.71mg
- ビタミンB2
- 0.26mg
- ビタミンB6
- 0.52mg
- ビタミンE(α-トコフェロール)
- 2.2mg
※黄大豆(乾)の栄養成分
全体的に栄養豊富で、味噌汁や納豆などいろんな食べ方が可能です。
ランキング1位で紹介した小麦胚芽と調整豆乳の組み合わせなら、とても効率的に栄養摂取できます。
イソフラボンは女性ホルモンを制御する働きもあるため、とくに女性におすすめです。
【3位】牡蛎(カキ)
海のミルクと呼ばれるほど栄養豊富で、髪の成長に重要な栄養素すべてを摂取することができます。
亜鉛をしっかり取りたい時、1番向いている食べ物は牡蛎です。
100gあたりに含まれる亜鉛の量は小麦胚芽に負けてはいますが、食べる量を考えると牡蛎の方が亜鉛を取りやすいからです。
- タンパク質
- 6.9g
- 亜鉛
- 14.5mg
- ヨウ素(ヨード)
- 67µg
- ビタミンB1
- 0.07mg
- ビタミンB2
- 0.14mg
- ビタミンB6
- 0.07mg
- ビタミンE(α-トコフェロール)
- 1.3mg
生で食べるとお腹を壊しやすかったり、やや値段が高い傾向にあるのがデメリットです。
デメリットを気にしなければ、髪の毛を早く伸ばしたい時に積極的にとりたい食べ物になります。
【4位】豚レバー
髪の成長に重要な栄養素すべて摂取する事ができます。
とくに、ビタミンB群のビタミンB1、B2、B6が豊富に含まれています。
- タンパク質
- 12.9g
- 亜鉛
- 2.9mg
- ヨウ素
- 3µg
- ビタミンB1
- 0.18mg
- ビタミンB2
- 1.45mg
- ビタミンB6
- 0.23mg
- ビタミンE(α-トコフェロール)
- 0.4mg
しかし、ビタミンAなども豊富に含まれすぎているため、栄養が過剰にならないよう週1程度で食べる事が推奨されています。
ビタミンには水溶性(ビタミンB群、C)と脂溶性があります。
水溶性ビタミンは取りすぎてもすぐ排出されますが、脂溶性は肝臓に貯蓄されるため過剰摂取には注意が必要です。
多く食べられないというデメリットはありますが、髪を早く伸ばしたい場合は定期的に摂取したい食べ物です。
【5位】ごま
植物エストロゲンのリグナンが含まれています。
また、髪の成長に重要な栄養素の中では、ヨウ素以外はすべて補う事ができる万能の食べ物です。
- リグナン
- 1粒に0.5~1%程度
- タンパク質
- 20.3g
- 亜鉛
- 5.9mg
- ビタミンB1
- 0.49mg
- ビタミンB2
- 0.23mg
- ビタミンB6
- 0.64mg
- ビタミンE(α-トコフェロール)
- 0.1mg
一回の食事で多い量を食べられないというデメリットはありますが、トッピングしやすいというメリットもあります。
ごまは外の殻がある状態だと体内でうまく栄養が吸収できず、そのまま排泄されてしまう事があります。
何かにトッピングする時はすりつぶしてある状態の商品がおすすめです。
効率よく栄養摂取するならサプリメント
料理するのが手間な上、いろんな栄養を取りたくても量が食べられないという人は多いと思います。
そういった人にはサプリメントがおすすめです。
食事で足りていない栄養素を、効率よくピンポイントに摂取することができます。
サプリメントについては下記で詳しく解説しています。
とにかく早く髪を伸ばしたい時の注意点
くどいようですが、髪を早く伸ばすというのは本来の速さに戻すことです。
髪が伸びる限界速度は生まれつきの個人差があり、それ以上早くする方法は存在しません。
とにかく早く髪を伸ばしたい時は、1日5センチ伸ばすなど非現実的な事を夢見がちです。
そういった心理につけこみ、ネットにはデマも多いため注意が必要です。
中学生で噂のダイソー美容液では早く伸びない
SNSなどで「ダイソー美容液で、まつげや髪が早く伸びる」という噂がありますが、これはデマです。
髪の成長に関わる成分は入っていないため、付けても早く伸びるようになる事はありません。
また、基本的に「〇センチ」や「〇倍」髪を伸ばす方法というのは存在しません。
とにかく髪を早く伸ばしたいからと、都合のいい嘘に騙されないよう注意が必要です。
まとめ
髪の毛を早く伸ばしたい場合、栄養を不足させない事が大切です。
栄養をたくさん取れば取るほど、髪の伸びるスピードが早くなる訳ではありません。
食べ物以外で髪を早く伸ばす方法は、下記でまとめています。
日本人の栄養調査の中で不足している栄養や、髪の成長に影響をあたえる植物エストロゲンが含まれる食べ物がおすすめです。