30代から白髪だらけになる原因
30歳前後からあっという間に白髪が目立つようになり、原因を調べている人は多いと思います。
髪の毛は毛包という所で、「形を作る細胞」と「メラニン(色)を作る細胞」によって生成されています。
メラニンを作る工程に不具合がおき、色がない状態で生えた髪の毛が白髪です。
白髪の詳しい仕組みについては、下記で詳しく解説しています。
老化現象の1つとして、白髪が生えてくることが多いです。
なぜ30代40代あたりから白髪だらけになる人が多く居るのか、その原因について解説します。
抗酸化酵素の作られる量が低下
細胞は体内で作られる活性酸素により、酸化ダメージを受ける事で劣化(老化)していきます。
これは、人間が老化していく仕組みの1つです。
髪色を作る細胞が正常に働かなくなるキッカケにもなるため、白髪の原因でもあります。
体内で活性酸素が増える要因は、下記などがあげられます。
活性酸素が増えた時、体内で対抗して作られるのが抗酸化酵素(こうさんかこうそ)です。
活性酸素の量を減らしたり、生じたダメージの修復を促す働きがあります。
しかし、抗酸化酵素の生成量は、20代がピークです。
30代40代以降は減り続けるという研究論文があります。
成長ホルモンの分泌量が減少
細胞が分裂をくりかえし、新しく生まれ変わりながら髪の毛が作られています。
そのため、髪の色や形は、新陳代謝によって生成されていると言えます。
成長ホルモンは、こういった新陳代謝を促進させるホルモンです。
「睡眠の質の低下」「筋肉の衰え」など様々な要因が重なり、加齢によって分泌量が減っていきます。
下記は、老化における成長ホルモンの影響などをまとめた研究論文です。
there is a progressive decline of GH secretion by approximately 15% for every decade of adult life. Integrated measurements of daily GH secretion demonstrate that secretion peaks at puberty at about 150 µg/kg day, then decreases to approximately 25 µg/kg/day by age 55
【Google翻訳】成人期の10年ごとにGH分泌が約15%減少します。毎日のGH分泌の統合測定は、分泌が思春期に約150 µg / kg日でピークに達し、その後55歳までに約25 µg / kg /日に減少することを示しています。
出典元:Growth Hormone in Aging – Endotext – NCBI Bookshelf
GHとは成長ホルモン(Growth Hormone)の略称です。
男性と女性でも分泌量が異なる
成長ホルモンは年齢差の他に、男性と女性でも分泌量が異なります。
下記の4つのグループに分け、成長ホルモン分泌の脈動パターンなどを研究した論文があります。
- 若い男性10人(18~33歳)
- 若い女性10人(18~33歳)
- 年配の男性8人(55歳以上)
- 年配の女性8人(55歳以上)
IGHC was significantly greater in women than in men (P less than 0.025) and greater in the young than in the old (P less than 0.003).
【Google翻訳】IGHCは、男性よりも女性の方が有意に大きく(P 0.025未満)、老人よりも若い方が大きかった(P 0.003未満)。
出典元:Effects of sex and age on the 24-hour profile of growth hormone secretion in man: importance of endogenous estradiol concentrations – PubMed
IGHCとは、1日の成長ホルモン濃度の事です。
そのため、成長ホルモンだけを見ると、男性の方が白髪になりやすいと言えます。
現に日本人で白髪が気になりだす年齢は、男性の方が若いという調査結果もあります。
参考:白髪・グレイヘアに関する意識調査2020|調査・研究 | 美容サロン経営を学ぶならホットペッパービューティーアカデミー
セロトニンとメラトニンの減少
日中はセロトニン、睡眠時はメラトニンと呼ばれるホルモンが分泌しています。
この2つの分泌量は比例しており、加齢と共に減少していきます。
年齢を重ねる毎に、ストレス耐性や睡眠の質が低下するという事です。
ストレスが白髪の原因である事を示す研究論文は、複数存在します。
また、睡眠の質が下がると、上で解説した成長ホルモンの分泌量も低下してしまいます。
17型コラーゲンが減少
17型コラーゲンとは、髪を作る細胞が正常に働くために必要となるコラーゲンです。
下記で働きなどを詳しく解説していますが、一般的なコラーゲンとは性質が異なります。
17型コラーゲンは加齢によって減少していき、不足すると白髪の原因になります。
DNAの損傷が減少理由と考えられていますが、完全に解明されている訳ではありません。
髪は細胞分裂によって作られており、その度にDNAは損傷しています。
損傷したDNAを治す際、加齢に比例して17型コラーゲンが分解されやすくなると考えられています。
産後のママは白髪だらけになりやすい
妊娠や出産も、白髪だらけになる原因として考えられます。
令和2年における厚生労働省のデータによると、30歳あたりが平均出産年齢のようです。
第1子出生時の母の平均年齢は上昇傾向にあったが、平成27年から30.7歳と横ばいとなっている
出典元:令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況|厚生労働省
そのため、女性の30代で白髪だらけになる原因として、妊娠や出産もあげられます。
それぞれ解説します。
妊娠中に食べ物の栄養が不足しがち
髪の形や色を作るためには、食べ物から取れる栄養が必要です。
妊娠中は赤ちゃん分の栄養も必要になるため、取らなければいけない食べ物の必要量が増加します。
そのため、とくに普段から偏食の人などは、妊娠中に何かしらの栄養が不足しやすいです。
黒髪や茶髪といった地毛色を維持するために必要な栄養は、下記で詳しく解説しています。
妊娠中や産後はストレスが増加
ストレスが白髪の原因である事を示す研究論文は、複数存在します。
そのため、ストレスが増加しやすい妊娠中や産後は、白髪だらけになりやすいと言えます。
ストレスにより髪色を作る細胞に不具合がおき、徐々に白髪が生えてくる可能性があるという事です。
しばらくしてから白髪が目立ってくる事から、産後のママは白髪だらけになりやすいと言えます。
40代で急に白髪が増える原因
上で解説した原因も、40代で急に白髪が増える事に繋がります。
40代ではさらに、白髪の原因が追加されます。
女性ホルモンのエストロゲンが低下
女性は閉経前後の5年間を更年期と呼び、エストロゲンが急激に減少し始める期間です。
日本人の閉経平均は約50歳ですが、40代前半~50代後半と個人差が大きいです。
また、女性に比べれば少ないですが、男性にもエストロゲンが分泌されています。
男性の場合、加齢と共に緩やかに分泌量が減少していきます。
これらの症状が、40代から急に白髪が増える原因です。
更年期障害とも呼ばれ、この他にも起こりえる症状はたくさんあります。
白髪染めの影響
30代すぎてから白髪が気になり始める人が増え、隠そうと白髪染めをする人も多くなります。
ヘアカラーの白髪染めには、活性酸素の1つでもある過酸化水素が含まれています。
上でも解説した通り、活性酸素は細胞を劣化(老化)させる白髪の原因です。
30代以降は体内で作られる抗酸化酵素も減っているため、過酸化水素の影響も大きくなります。
みんな白髪はどうしているのか【調査参考】
白髪が気になり始めた時、他の人がどうしているのか気になる人は多いと思います。
株式会社リクルートライフスタイルが行った「白髪・グレイヘアに関する意識調査2020」が参考になります。
これに当てはまる、約5万人のインターネット調査の結果になります。
他にもいろんな項目があるため、白髪関係でみんなどうしているのか気になる人はチェックしてみてください。
そのままの割合は男性と女性で違う
表記してある白髪染めをしている人の割合は、「白髪でない人」も合わせた全体での割合です。
白髪であっても男性の場合、そのまま対策をしていないという人の方が多いようです。
それに対し女性は、白髪染めしている人の方が多くなっています。
しかし、多数派だからといって、それに合わせる必要はないかと思います。
抜くのは治る可能性を減らす
白髪の原因によっては、改善すれば黒髪に戻る可能性はあります。
しかし、抜くことで髪を作る環境や細胞にダメージを与えてしまうと、その可能性を減らしかねません。
黒髪に戻せる白髪なのか自分で判断する事はできませんが、抜かない方が良いのは確かです。
白髪を抜くメリットとデメリットについては、下記で詳しく解説しています。
>>白髪を抜くメリットとデメリットとは?【決めるのはアナタ】
まとめ
30代40代と年齢を重ねていくにつれ、髪を作る細胞をサポートしてくれているホルモンなどが減少します。
これが、加齢によって白髪だらけになっていく原因です。
ストレス耐性が低下したり、睡眠の質が悪くなるといった症状も起こりやすくなります。
また、白髪が生えても「男性はそのまま」「女性は白髪染め」が多数派のようです。